砂の器

砂の器 (カッパ・ノベルス 11-9)

砂の器 (カッパ・ノベルス 11-9)

戦後から昭和30年代が舞台、新幹線が無く汽車による移動、東京と地方の大きな違い、犯罪の原因となる背景も現代とは全く違うあたりが新鮮。

球体の蛇

球体の蛇

球体の蛇

長野市立図書館にあった。「カラスの親指」ほどではないが、読み出した止めらず3日で読んでしまった。主人公の年齢は私より2歳下なので時代背景は実感できる。平穏な暮らしのそばにある不幸・悲しさが残る。

点と線

点と線

点と線

松本清張「点と線」。引き込まれて二日で読んでしまった。東京から札幌まで、東京から博多まで汽車と連絡線で24時間かかった時代。電報が通信手段の主流だった時代。広域犯罪の捜査は困難だった。お蔵入りになった事件も多いのではないか。時刻表、電車や飛行機の乗り継ぎ、途中下車、時代と旅路に思いを馳せる小説だ。

三国志

三国志〈13の巻〉極北の星

三国志〈13の巻〉極北の星

北方謙三三国志を読んだ。1月から9月まで楽しんだ。男として如何に生き、如何に死ぬか。それだけをテーマに英雄たちが駆け抜けた。曹操劉備も諸葛涼も。関羽張飛趙雲も。馬超呂布周喩も。曹操主治医も、劉備に馬を届ける商人も。男の物語に引き込まれ、一人ずついなくなるたびに別れの寂しさを残した。孔明が死に山間で妻子と平穏に暮らす馬超で静かに結末を迎えるとは。

ヤンキース流広報術

ヤンキース流広報術

ヤンキース流広報術

これもインパクトなし。

日本人よ!

日本人よ!

日本人よ!

オシムの言葉。あの頃はもてはやされていたが今読むとあまりぱっとしない。

五郎治殿御始末

五郎治殿御始末 (新潮文庫)

五郎治殿御始末 (新潮文庫)

江戸から明治になり、この短編に出てくるような苦労が実施にあったのだろう。太陰暦から太陽暦への変更や一日を24時間で計ることによる混乱。朝的とされた藩の武士たちの行末。作家はかように当時の人の心を汲み取り文章にすることができるのか。