神器―軍艦「橿原」殺人事件

神器〈上〉―軍艦「橿原」殺人事件

神器〈上〉―軍艦「橿原」殺人事件

奇抜でユーモアある展開のなかに軍隊の異常、下士兵の悲しみを描いており、心奪われ年末はこの一冊で過ごす。幻想的ストーリーでありながら太平洋戦争をはさむ日本人の精神構造、民族の原罪のようなものを鋭くあぶりだしている。この哀しみがわかる大人になれてよかった。由井という登場人物、所沢の空軍基地など身近に感じながら読む。